ここでは、「お座り」「待て」「よし」の行程をしつけます。
「お座り」はしつけの基本。これを覚えれば、興奮している時に落ち着かせたり、飼い主の言うことをきちんと聞く素養ができたり。
飼い主と犬の主従関係を認識し、かつ犬の動きを飼い主が管理できる、とても重要なしつけなのです。
これを覚えると「ご飯の時」はもちろん「信号待ちの時」「一時的に行動を抑制する必要がある時」などにも色々使えます。
おすわりは絶対に覚えましょう!
【おすわり、って難しいの?】
飼い主さんとワンコの信頼関係が正しく築けていれば、難しいものではありません。1日もあれば覚えてしまいます。習慣づけるためには1週間程度で固定します。
【おすわりのしつけ方(1)】
■犬の鼻先におやつを持って行く
最初は犬が落ち着いている時に行って下さい。
犬のお尻に手を添えつつ、犬の鼻先に「おやつだよー!」等のいつもの言葉と共に、おやつを見せて上げて下さい。犬のお尻に手を添えるのは、次の段階でお尻を下げる際にびっくりさせないためにです。
おやつは犬の目線で、すぐにおやつに飛びつかないように注意。おやつに飛びつくようであれば一喝して注意して下さい。
おやつは最初は手のひらに見せて、そのあと手は握っておきます。
■「おすわり!」と言いながらお尻を落とさせる
この姿勢で飼い主さんが「おすわり!」と言いながら、犬のお尻に添えた手にそっと力を入れて座らせましょう。
座るのを拒む子もいますが受け入れるまで優しく、「はいはい、おすわりー。」と声をかけながら座らせましょう。
どこかの時点で犬は「あ、これは座るんだな」と理解して座るようになります。
※ここでどうしても足を踏ん張って座らない子がたまにいます。これは飼い主の言うことを聞いてない=主従関係、信頼関係がきちんと構築できていないということなので、別途説明します。
■手を開いて「待て」と言う
お尻に手を当てたまま、そっと手を開きながら「待て」と言います。
この時に食いつきそうになったらお尻に置いた手に力を入れて、おやつを持った手をそっと閉じて下さい。
それでも分からなくて食いついてしまう場合は、犬の手が届かない高いところに手を持って行きます。
■「よし」と言いながらおやつを差し出す
「よし」の号令とともに、おやつを差し出し、食べさせます。
最初のうちは数秒待たせる程度で、少しずつ時間を延ばして行きましょう。
おやつを食べている時に「いい子、いい子!」してあげましょう。もうべた褒めです。
これで一通りの流れが完成です。
【おすわりのしつけ方(2)】
■(1)の一連の行程を、おやつ抜きで行う
(1)ではおやつを使って行いましたが、最終的にはこれはおやつなしで行います。
犬への報酬は、飼い主さんからの愛情。なので、最初は3回に1回はおやつなし。
翌日は2回に1回、その翌日は数回に1回だけ、と徐々におやつを減らして行き、最終的にはおやつが必要ない状態にします(でもたまに上げるとしつけが持続します)。ここまでで5日〜1週間程度で慣らして下さい。
■報酬をご飯にし、ご飯の際に行う
みんなやっている「ご飯時のお座り」。一番好きなものを我慢する、行動を管理ためにとても重要です。
ここで注意したいのは「待て」の時間。あまり長過ぎて犬がしびれを切らしてしまい、食べ始めてしまうとそのまま食べさせるのも取り上げるのもよくありません。「待て」の時間は長過ぎず短すぎず。訓練の最初は犬の首あたりに手を添えて、ご飯に飛びつかないようにして下さい。
【おすわりのしつけ方(3)】
■家の中で距離をとって訓練する
犬を「おすわり」させたら、飼い主さんは犬の方を向いて「待て」と言いながら後ずさりします。最初のうちはおやつとともに訓練して下さい。
犬が途中で腰を浮かしてしまったら失敗。おやつは上げられないので再度トライします。
■家の中で飼い主が隠れて訓練する
飼い主の姿が見えなくなっても座っているための訓練です。
上と同じような状態で、飼い主さんがドアの向こうにいったん移動する等、人間の姿が見えなくなる状態で行います。
最初は少しだけ隠れて、成功したら徐々に時間を延ばしながら訓練して行けば、慣らして行くことができます。
【おすわりのしつけ方(4)】
■屋外で訓練する
外部環境からの刺激が多く誘惑も多い屋外での訓練は段階的に行います。
- 最初は静かな公園等
- 赤信号、横断歩道
- 往来の激しい人通り
- 他の犬とすれ違う時
等、少しずつハードルを上げて行きます。
ここで成功したら、もう大々的に「いい子いい子!」べた褒めです。頑張ったね!と、犬を賞賛してあげるつもりで褒めて上げて下さい。
こうやって、徐々にハードルを上げて行くことで、行動を固定していきます。
しつけは継続するものなので、必ず毎日1回は行って下さい。成功したら常に褒めて、たまのおやつも忘れずにね。
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